リフォーム営業で「売り込まないほうが受注できる」理由
よく喋る営業は嫌われます!
リフォーム営業を長くやっていると、強く売り込んだから受注できたというより、売り込まなかったから決まったという仕事のほうが、むしろ印象に残っています。
昔、まだ訪問販売が法律で許されていたころの話ですが、寝具や幼児向け本、外壁塗装や太陽熱温水器などの訪問販売営業が盛んに行われていた時代がありました。
訪問販売営業経験者の方と出会い、私は実際にロールプレイングで営業トークを見せて頂きました。お客様に畳み掛けるような流れでペラペラとよく喋ることと売り込むことこれでは、根負けしたお客様は買わざるを得ないと感じましたが、その方が実際に建築営業になりましたが全く工事の契約を頂くことが出来ずに会社を後にしたことを覚えてます。
営業を始めた頃は、こちらも「しっかり提案しないといけない」「良さを伝えないと決まらない」と思っていました。「提案」と「売り込み」は意味が全く違います。
でも実際には、話せば話すほどお客様の表情が固くなることがあります。逆に、こちらが余計なことを言わず、まず話を聞いて、現場を見て、必要なことだけを伝えたときのほうが、あとで依頼につながることが多かったです。
リフォームは、安い買い物ではありません。
しかも、工事が始まってからでないと見えないこともあります。
だからお客様は、うまく話す人より、この人はちゃんと見てくれるか、この人は後で話を変えないかを見ています。
以前、あるお客様のところへ伺ったときのことです。
相談内容は水まわりを含む工事でしたが、最初の言葉は「とりあえず見積だけお願いしたいです」でした。こういう言い方のときは、多くの場合、すでに何社か声をかけています。こちらも分かります。そこで焦って、自社の良さや今すぐやるべき理由を並べても、たいてい逆効果です。
そのとき私がやったのは、売り込むことではなく、まずよく聞くことでした。
どこが使いにくいのか、何年ぐらい前から気になっていたのか、ご家族の中で誰が一番困っているのか、今後どこまで直したいのか。そういう話を聞きながら、現場も一つずつ確認していきました。必ずメモも取りながら、お客様の目を見て、「うなづき」をリアクションとして入れることが大切になります。
話を聞いていくと、お客様が最初に言っていた要望と、本当に困っていることが少し違っていました。
表面上は「古くなったから替えたい」という話だったのですが、実際には、動線が悪いことと、毎日の使い勝手に小さなストレスが積み重なっていたのです。
ここでこちらが「今ならこの設備がおすすめです」「せっかくなら全部替えたほうがいいです」と押していたら、おそらく他社と同じに見えたと思います。
そうではなく、「この部分は大きく替えなくても改善できます」「逆にここは見た目より先に考えたほうがいいです」と、必要なことと、無理にやらなくていいことを分けて話しました。
すると、お客様の反応が変わりました。
その場ではすぐに決まりませんでしたが、後日連絡があり、工事をお願いしたいと言われました。理由を聞くと、「一番営業っぽくなかったけれど、一番安心できた」と言われました。
この言葉は、今でもよく覚えています。
結局、お客様が求めているのは、押しの強さではなく、安心して任せられるかどうかです。
売り込まないほうが受注できるのは、何もしないほうがいいという意味ではありません。
必要なことは、きちんと伝えないといけません。
ただ、その順番が大事です。
先に売るのではなく、先に聞く。
先に商品の話をするのではなく、先に現場を見る。
先に契約の話をするのではなく、先に相手の不安を整理する。
この順番を間違えないほうが、結果として受注につながります。
お客様は、営業されることに慣れています。
だからこそ、少し話せば「この人は売りたいのが先だな」というのは伝わってしまいます。
一方で、自分の話をちゃんと聞いてくれて、現場もよく見て、良いことばかりでなく注意点まで正直に話してくれる人には、自然と信頼が生まれます。
特にリフォームは、契約したら終わりではありません。
工事中もありますし、引き渡し後もあります。
工事が終わってからが本当のお客様との繋がり、ご縁が始まります。
だからお客様も、本能的に「この人とは工事中もうまくやっていけるか」を見ています。
売り込んで決める営業より、任せても大丈夫だと思ってもらえる営業のほうが、結果的に強いのだと思います。
私自身、若い頃は、もっと上手に話さないといけないと思っていました。
でも実際には、話すことより、聞くこと。
押すことより、相手の立場で整理すること。
そのほうが仕事は決まりやすいし、決まった後もうまくいきやすいです。
リフォーム営業で大事なのは、売ることではなく、頼む理由をお客様の中に作ることだと思います。
そのためには、無理に押すより、まず安心してもらうことです。
売り込まない営業は、遠回りに見えるかもしれません。
でも実際には、そのほうが受注しやすく、工事が始まってからのズレも少なくなります。
私はそのほうが、長く続く営業だと思っています。
まとめ
リフォーム営業では、押しの強さが受注につながるとは限りません。
むしろ、売り込まないことで、お客様が本音を話しやすくなり、信頼につながることがあります。
大事なのは、
「何を売るか」より
「相手が何に困っているか」を先に見ることです。
売ろうとしすぎると、相手は引きます。
でも、ちゃんと聞いて、ちゃんと見て、必要なことだけを正直に伝えると、「この人なら任せてもいい」と思ってもらえることがあります。
リフォーム営業は、押して取る仕事というより、信頼で選ばれる仕事だと私は思います。
わたしのつぶやき
売り込まないと決まらないのではなく、
売り込まないからこそ、相手が安心して決められることがあります。
リフォーム営業は、その空気を作れるかどうかが大きいと思います。


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