建築・リフォーム営業は“説明がうまい人”より“安心させる人”が強い!
顕在化しているニーズよりも、潜在化しているニーズを引き出す!
建築、リフォーム営業をしていると、お客様の言葉を素直に受け取って動いたのに、なぜか話がかみ合わなくなることがあります。
こちらは言われた通りに進めているつもりなのに、見積を出したあとの反応が薄かったり、提案しても今ひとつ響かなかったりする。そういう場面は意外と少なくありません。
これは、お客様が嘘をついているという話ではありません。
ただ、お客様が口にしている言葉と、本当に気にしていることが少しずれていることがある、ということです。
たとえば「できるだけ安くしたい」と言われても、本当に知りたいのは最安値ではなく、あとから追加費用が出ないかどうかかもしれません。
「とりあえず見積だけほしい」と言われても、実際にはこの会社が信用できるかどうかを見ていることもあります。
私は、営業で大事なのは、お客様の言葉を否定することではなく、その言葉の奥にある本音まで見ようとすることだと思っています。
今回は、お客様の言葉をそのまま受け取ると、なぜ失敗しやすいのかを書いてみます。
お客様の言葉は、必ずしも本音そのものではない
リフォームの相談で出てくる言葉は、だいたい最初は表面的です。
「古くなったから替えたい」
「安く済ませたい」
「使いにくいから何とかしたい」
こういう言葉から話が始まることは多いです。
もちろん、その言葉自体は本当です。
でも、そこに全部が入っているとは限りません。
古くなったから替えたいと言いながら、本当は来客があるたびに気になっていたのかもしれません。
安く済ませたいと言いながら、実は予算が厳しいというより、過去に工事で嫌な思いをしたことがあって慎重になっているのかもしれません。
使いにくいと言いながら、実際には家族の生活動線や将来の介護まで気になっていることもあります。
つまり、お客様の最初の言葉は入口であって、結論ではないことが多いです。
そこをそのまま鵜呑みにしてしまうと、営業側は間違っていないつもりでも、提案の方向が少しずつずれていきます。
「安くしたい」は、ただ値段を下げたいとは限らない
営業をしていると、「できるだけ安くしたいです」と言われることは本当に多いです。
でも、この言葉をそのまま「とにかく安いプランを出せばいい」と受け取ると、かえって外すことがあります。
実際には、お客様が不安に思っているのは、金額そのものよりも、
あとで増額しないか、
必要のない工事まで入っていないか、
安い代わりにすぐ不具合が出ないか、
そういうことだったりします。
つまり、「安くしたい」という言葉の中には、金額への要望だけではなく、失敗したくない気持ちが入っています。
ここを見ないまま安い見積だけを出すと、一見親切に見えても、お客様の不安は解消されません。
反対に、なぜこの金額になるのか、どこは削れてどこは削らないほうがいいのかを丁寧に伝えると、お客様は安心しやすくなります。
安さを求めているように見えて、実は安心を求めている。
こういうことは、現場ではかなり多いです。
「見積だけほしい」は、営業されたくないのではなく様子を見ていることがある
初回訪問や問い合わせの段階で、「とりあえず見積だけお願いします」と言われることがあります。
この言葉をそのまま受け取ると、「深く聞くと嫌がられるかもしれない」「余計な話はしないでおこう」と考えてしまいがちです。
でも実際には、お客様は営業を拒否しているというより、まず相手を見ていることが多いです。
しつこくされないか。
話をちゃんと聞いてくれるか。
急いで契約に持っていこうとしないか。
そういうことを見ながら距離感を測っています。
このときに言葉通り「見積だけ」にしてしまうと、必要な確認が足りず、薄い見積になりやすいです。
逆に、押しつけにならない範囲で、背景や困りごとを少しずつ聞いていくと、お客様の本音が見えてきます。
「見積だけ」という言葉の裏には、
“まずは安心できる相手か確かめたい”
という気持ちが隠れていることがあります。
この読み違いをすると、最初の接点でかなり差がつくと感じます。
お客様自身も、本音をうまく言葉にできていないことがある
営業をしていてよく思うのは、お客様は最初から自分の本音を整理できているわけではない、ということです。
リフォームは日常の不便や不満が積み重なって相談につながることが多いので、本人の中でも「どこが一番困っているのか」がまだ整理しきれていないことがあります。
だから、最初に出てくる言葉は少しあいまいです。この内面の部分を整えてあげることが大切です。
たとえば、「収納を増やしたい」と言われても、本当は物が多いのではなく、使う場所としまう場所が合っていないだけかもしれません。
「明るくしたい」と言われても、照明の問題ではなく、壁の色や家具配置、窓まわりの使い方が原因のこともあります。
この段階で、言われた通りの形だけを提案すると、どこかずれます。
お客様自身も気づいていなかった本当の困りごとに届かないからです。
だからこそ営業は、答えを急ぐより、お客様が考えを整理できるように会話を進めるほうが大事です。
その役割を果たせる人の提案は、やはり強いです。
言葉の裏を見ようとしない営業ほど、提案が表面的になる
お客様の言葉をそのまま受け取る営業は、仕事が早いように見えることがあります。
話を聞いたらすぐに見積を作り、すぐに提案に入るからです。
でも、その早さがそのまま精度につながるとは限りません。
むしろ、聞いた言葉をそのまま工事内容に変換しているだけだと、提案がかなり表面的になります。
たとえば「使いにくいキッチンを何とかしたい」と言われて、すぐに最新設備のプランを出したとしても、お客様が本当に困っていたのが調理中の動線や収納の配置だったら、設備だけ立派でも満足度は高くなりません。
提案がうまく外れるときは、商品や見積が悪いというより、そもそもの理解が浅いことが多いです。
そしてその原因は、お客様の言葉をそのまま受け取ってしまったところにあります。
表面の要望にすぐ答えることより、その背景を少し考えること。
この違いが、営業ではかなり大きいと思います。
これは昔の事例です。住宅リフォームの営業はスピードが必要と言われていました。これは、お客
様がチラシを見てお電話をしてきて、現場調査に当日行き、見積書も当日の夕方に持って行き、契
約を頂くという流れが重視されていた時代のことです。お客様の購買意欲が下がらないうちに契約
書を作成して出来るだけ早くサインをもらおうといった営業手法がとられれていた時代の話です。
しかい、お客様の表面化したニーズしか汲み取っていないために、必ず工事が始まると問題が起こ
り、クレームとなってしまいます。
表面化したお客様の言葉だけではなく、本当の「想い」を理解する必要があります。
実際には「言葉」より「困っている場面」を聞いたほうが本音が見えやすい
私は、お客様の本音を知りたいときは、要望そのものよりも、困っている場面を聞くようにしたほうがいいと感じています。
「なぜそれが気になるんですか」
「どんなときに不便を感じますか」
「誰が一番困っていますか」
こういう話になると、表面的な言葉の奥にある事情が見えやすくなります。
たとえば「トイレを替えたい」と言われても、困っている場面を聞くと、実際には掃除のしにくさだったり、夜に寒いことだったり、高齢の家族が使いにくいことだったりします。
ここまで分かれば、ただ便器を替える提案ではなく、床や手すりや断熱も含めて考えられるようになります。
お客様の言葉をそのまま受け取るのではなく、その言葉が生まれた場面を見る。
これができると、提案の精度も納得感もかなり変わります。
「言われた通りにやる」だけでは信頼につながらないことがある
営業としては、お客様の希望を尊重したい気持ちがあります。
だからこそ、言われた通りにやることが親切だと思ってしまうこともあります。
でも、リフォームではそれだけでは足りないことがあります。
お客様は、言った通りに動いてくれる人よりも、自分でも気づいていない問題まで含めて整理してくれる人に安心を感じることが多いです。
もちろん、勝手に話を広げすぎるのは違います。
ただ、言われたことだけを処理するような対応だと、相談相手というより作業相手になってしまいます。
お客様が営業に期待しているのは、単なる見積作成ではなく、
「自分の家のことをちゃんと考えてくれるか」
という部分です。
そこに応えられる人は、言葉をそのまま受け取るのではなく、少しだけ奥を見ています。
その差が、信頼の差になるのだと思います。
まとめ
お客様の言葉をそのまま受け取ると失敗することがあるのは、その言葉が間違っているからではありません。
その言葉の中に、本音や不安や背景が全部入っているとは限らないからです。
リフォーム営業では、表に出ている要望だけを処理するのではなく、なぜそう言っているのか、どんな場面で困っているのかまで見ていくことが大切です。
そこまで見えてくると、提案は一気に現実的になりますし、お客様の納得感も変わってきます。
ここから、お客様からの「信頼感」が初めて生まれてきます。
話をそのまま聞くことは大切です。
でも、それだけでは足りないことがあります。
本当に必要なのは、言葉を否定せずに、その奥まで丁寧に見ていくことだと思います。
営業の差は、話し方よりも、受け取り方に出るのかもしれません。
わたしのつぶやき
お客様の言葉をそのまま聞くのは大事ですが、そのまま終わると浅いままです。営業は、その言葉の奥にある生活まで見にいく仕事だと思います。
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